山口県美祢市にて郵便局を活用した遠隔医療・買い物支援の実証事業が完了しました
2026.3.9
背景と課題:
山口県美祢市は、高齢化率45.9%・人口約2万人の中山間地域であり、公共交通の機能低下や商店・医療施設の減少など、地方が抱える課題が顕在化している地域です。特に、自家用車を持たない高齢者にとって、通院や日常的な買い物が困難になりつつある状況が深刻化しています。
こうした課題に対し、過疎地においても存続し続ける郵便局の強みを活かし、地域住民が身近な拠点で医療・生活サービスを受けられる仕組みの構築に取り組みました。
実施概要:
実施期間: 令和7年10月〜令和8年1月末日
実施拠点: 豊田前郵便局・赤郷郵便局・嘉万郵便局(山口県美祢市内3拠点)
実施内容:
① オンライン診療・オンライン服薬指導・オンライン健康相談
郵便局内にフォンブース(防音ブース)とタブレット端末を設置し、美祢市立病院とオンラインで接続することで、住民が身近な郵便局にいながら診療・服薬指導・健康相談を受けられる環境を整備しました。高齢者がスムーズに利用できるよう、当社のオンライン診療サービス「WawaTalk」による自動接続(ゼロタッチ方式)や字幕表示機能も実装しました。
実証を通じて、利用者の満足度は非常に高い結果となりました。また、郵便局員によるタブレット操作の補助や予約調整支援が、デジタル機器に不慣れな高齢者の心理的ハードルを下げる上で大きく貢献することが確認されました。
② 買い物支援サービス
住民が郵便局の窓口で商品カタログから日用品を注文し、日本郵便の「ぽすちょこ便」を活用して郵便局間で配送する仕組みを構築しました。また、豊田前郵便局では市指定のごみ袋を販売する無人販売棚も設置し、住民の日常ニーズに対応しました。
実証を通じた主な成果:
郵便局の地域拠点としての有効性: 郵便局職員による伴走支援が、デジタル機器に不慣れな高齢者の心理的ハードルを下げ、安心して利用できる環境づくりに大きく貢献しました。住民からは「局員がそばにいてくれて安心だった」「思ったよりも簡単だった」といった声が多数寄せられ、郵便局を医療・生活サービスの拠点として活用することの実行性が確認されました。
オンライン健康相談を入口とした段階的モデルの有効性: オンライン診療に心理的ハードルを感じる住民に対し、無料のオンライン健康相談を入口として提供したところ、多くの利用と高い満足度が確認されました。健康相談から段階的にオンライン診療へと繋げるモデルの有効性が示されました。
将来的な潜在ニーズの可視化: 現時点では自家用車での移動が可能な住民からも、「将来、足が悪くなったときに利用したい」「ドライバー不足が深刻化した際に必要な仕組み」といった声が多く聞かれました。今後の高齢化・人口減少の進行を見据えた取り組みとして、地域に広く受け入れられつつあることが確認されました。
全国初のモデルとして注目: KRY山口放送・山口朝日放送・山口新聞・通信文化新報など複数のメディアに取り上げられ、全国初の取り組みとして広く注目を集めました。
今後の展望:
本実証の成果と課題を踏まえ、令和8年度以降の本格実装に向けて、かかりつけ医との連携を前提とした補完型モデルへの転換や、地域ニーズに即した診療科目の拡充、持続可能なコスト構造の設計など、引き続き関係機関と連携しながら取り組みを推進してまいります。
メディモニーは、本事業で培ったノウハウをもとに、医療・生活サービスへのアクセスが困難な地域における課題解決に向けて、全国への横展開も視野に入れながら取り組みを続けてまいります。